
民泊の料金設定とは?単価・最低泊数・稼働率の考え方
思うような数字が積めないと「予約を増やすなら値下げ」という安直な考えに走りがちですが、民泊の料金設定で最も多い失敗は、稼働率を上げるために安売りすることです。低価格で満室にすると、清掃回数、消耗品、問い合わせが増え、1泊当たりの利益が下がります。
料金設定は、単価だけを決めるのではなく、最低泊数、清掃料金、追加人数料金、キャンセル条件と合わせて設計し、曜日、季節、イベント、予約までの日数に応じて変動させます。
価格は固定しない
曜日、季節、イベント、周辺需要、予約までの日数は常に変化します。同じ価格のまま放置すると、繁忙日に本来得られたはずの利益を逃し、閑散日に販売機会を失います。
価格は、基準価格を決めた上で、次の要因で調整します。
- 曜日(平日、金曜、土曜、休前日)
- 季節(繁忙期、通常期、閑散期)
- イベント・地域行事
- 予約までの日数(早期予約、直前空室)
- 連泊・長期滞在
- 競合の価格変動
稼働率だけを指標にしない
稼働率が高いほど利益が大きいとは限りません。低価格で満室にすると、清掃回数、消耗、問い合わせ、近隣リスクが増えます。稼働率ではなく、OTA手数料と清掃費を控除した1泊当たりの貢献利益を見ます。
物件ごとに「稼働率を上げる」「平均単価を上げる」「平均泊数を伸ばす」のどこに改善余地があるかを分けます。高稼働よりも高単価・長期滞在で利益を確保できる物件もあります。
繁忙日の価格を上げる
繁忙期は値上げ、閑散期は値下げを基本に、季節、曜日、イベントを考慮して価格を決めます。連休、イベント、訪日需要が集中する日は、通常価格より高く設定できます。ただし、週末を一律に値上げするのは得策ではありません。平日と土日で機械的に分けるより、周辺の宿泊施設の料金変動に合わせるほうが精度が上がります。満室になった事実だけで成功と考えず、予約が入った時期と周辺価格を確認します。早く売り切れすぎる日は、価格が低すぎる可能性があります。
繁忙日は、単価を上げるだけでなく、連泊条件を設けて清掃回数を抑えることも検討します。
閑散日の調整
予約が埋まらない日を直前まで通常価格で残すと、販売機会を失います。一方、早い段階から大きく値下げすると、通常価格で予約する顧客まで安く獲得してしまいます。
まず最低泊数を短縮し、その上で価格を調整する流れがセオリーです。手間が増えるので、個人的にはおすすめはしないですが、1泊だけの需要も拾えるか、清掃回数と利益の関係を見て判断します。
ダイナミックプライシング
ダイナミックプライシングは、経験や直感に頼った値下げを防ぐ手段です。PriceLabsのようなダイナミックプライシングツールは、過去の予約データと競合情報から価格を推奨し、料金調整の作業量を減らします。料金体系はプランによって異なり、公開時点の公式サイトで確認します。
ただし、ツールの推奨をそのまま使うだけではなく、自物件のレビュー状況、近隣の騒音リスク、最低泊数との組み合わせを確認します。ツールは判断材料であり、判断そのものではありません。
料金を上げるための商品価値
価格を上げるためには、写真、レビュー、設備、定員、清潔さ、アクセス説明など、宿泊商品そのものの価値も必要です。料金設定だけで物件の弱点を解決することはできません。
高評価が蓄積したら、価格上昇に対する予約転換を段階的に試します。当然ですが、価格を上げて予約が減った場合も、利益の変化を見て判断します。
キャンセル条件の設計
キャンセル条件は、個人の方針によって変わります。あくまで私の運用例として、基本的に30日前までキャンセル無料にしています。直近でのキャンセルを許すと、その日を他の予約で埋められず、損失になりえるためです。「長期予約が入った〜!」と喜んでいたら、直近でキャンセルされ、カレンダーが一気に空いてしまうことも珍しくありません。予約の入りやすさは重要ですが、同時にキャンセル条件にも明確な線引きが必要です。
料金設定のチェックリスト
- 曜日・季節・イベントで価格を変えているか
- 繁忙日に価格を上げているか
- 閑散日の価格調整と最低泊数を見直しているか
- 安売りで利益が減っていないか
- 1泊当たりの貢献利益を確認しているか
- 最低泊数、清掃料金、追加人数料金を設計したか
- キャンセル条件を確認したか
- ダイナミックプライシングを活用しているか
安さでなく、単価・泊数・清掃で考えるべし。
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