
【2026年9月第4週】民泊・旅館業の規制動向まとめ|大阪市の旅館業条例改正案が委員会通過、豊島区は一部屋旅館の規制強化を可決
2026年9月中旬にかけて、大阪市や東京都豊島区で民泊・旅館業に関する条例改正の手続きが進んだほか、沖縄県では都道府県として初めてとなる定率制の宿泊税条例が可決されました。今回は直近1〜2週間の主な動向を、自治体別にまとめてお届けします。
なお、以下で紹介する内容の一部は「委員会審査」や「検討開始」段階であり、まだ最終的な議決・施行に至っていないものも含まれます。今後の議会審議で内容が変わる可能性がある点にご留意ください。
大阪府大阪市:旅館業条例改正案が市議会委員会を通過、10月30日施行を予定
大阪市は、2026年5月の特区民泊新規受付終了後に旅館業法(簡易宿所等)への申請が急増したことを受けて9月定例市議会に提出していた旅館業法施行条例の改正案(議案第124号)について、2026年9月18日に市議会の委員会で審査を行いました。
- 他に入居者がいる共同住宅・長屋等で新たに旅館業許可を取得する場合、木造・鉄骨造の建物での新規開業を原則認めず、鉄筋コンクリート造(RC造)または鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)に限定する
- 宿泊客の滞在中は、施設内または施設から1km以内に従業員を常駐させることを義務付ける(既存施設にも適用)
- 事前周知(住民説明会)が必要な施設の対象を、総客室延べ面積200㎡未満へ拡大する
背景として、2024〜2025年度に寄せられた特区民泊等の騒音苦情の8割以上が木造・鉄骨造の建物に関するものだったことや、旅館業法に関する「計画届」の提出件数が2026年6月の40件程度から7月には108件へ急増したことが挙げられています。
2026年9月30日の本会議で議決される見込みで、可決されれば2026年10月30日の施行が予定されています。まだ議決前の段階であり、内容が確定したわけではありません。
東京都豊島区:一部屋旅館の規制を強化する条例を可決、9月・12月の二段階で施行
豊島区議会は2026年9月16日、「豊島区旅館業法施行条例の一部を改正する条例」を第3回区議会定例会で可決し、9月17日に発表しました。改正の目的は「一部屋旅館への規制を強化し、周辺地域の生活環境への悪影響を防止」するためとされています。
- 施設内へのフロント設置、営業従事者の常駐を義務化する
- 新規開業時に周辺地域(半径20m以内の住民)への事前周知を義務化する
- 区による助言、指導、勧告及び公表に関する規定をあわせて定める
施行時期は規定の内容によって二段階に分かれます。営業許可申請の添付書類の変更、事業計画の周知、指導・助言・勧告及び公表の規定は2026年9月17日から施行済みで、営業者の責務や施設の構造設備基準(フロント設置・従業員常駐)は2026年12月16日から施行される予定です。
沖縄県:都道府県として初めて定率制の宿泊税条例を可決
沖縄県議会は2026年9月18日、県内のホテル・旅館・民泊等の宿泊者に課す宿泊税条例案を全会一致で可決しました。
- 税率は宿泊料金の2%とする定率制(都道府県単位としては全国初)
- 1人1泊あたりの課税上限額は2,000円
- 総務大臣の同意を経て、2026年度中の施行を目指す
都道府県による宿泊税では、これまで定額制を採用する例が多く、定率制の導入は今回が初めてとなります。今後、総務大臣の同意手続きを経て正式な施行時期が確定します。
埼玉県川越市:オーバーツーリズム対策として「観光税」の導入検討を開始
川越市は2026年9月12日、観光客のマナー違反や混雑などのオーバーツーリズム対策の財源として、宿泊税や駐車場利用税などを含む「観光税」の導入に向け、2年かけて方向性を議論・検討する方針を示したと報じられました。具体的な税率・課税方式などはまだ示されておらず、今後の検討委員会等での議論を踏まえて決まる見通しです。
まとめ
直近1〜2週間では、大阪市・豊島区という都市部での旅館業条例の手続きが具体的に進む一方、宿泊税の分野では沖縄県が都道府県として初めて定率制を採用するなど、規制と税制の両面で新たな動きが見られました。埼玉県川越市のように、宿泊税を含む複数の税目を横断的に検討する自治体も出てきています。
いずれも現時点では「委員会審査」「検討開始」段階の内容を含みます。運営中または開業予定の物件がある自治体については、今後の議会審議・手続きの動向にも注目しつつ、必ず一次情報をご確認ください。
参考リンク
- 民泊の騒音トラブルに対応、大阪市が規制強化へ…市長「住民が不安を感じないよう施策を進める」 - 読売新聞
- 大阪市が木造アパートの民泊を原則認めず|旅館業申請急増と規制強化 - 行政書士officeHAL
- 期限は10月29日――大阪市の旅館業条例改正で、いま建築計画届を出しておくべき人 - 民泊支援株式会社
- 民泊開業の“新たな抜け道”「旅館業での許可」 市議会で対策を議論 - FNNプライムオンライン
- 豊島区が一部屋旅館の規制を強化 フロント設置と従事者の常駐を義務化 | myHotelsメディア
- 「宿泊税」2026年度導入へ | 財九NEWS
- 観光客のマナー違反や混雑などの対策に埼玉県川越市が「観光税」導入へ 宿泊税や駐車場利用税など2年かけ方向性を議論 - FNNプライムオンライン
※本記事は、記事作成時点の情報をもとに編集部が整理したものです。条例等の内容は今後変更される可能性がありますので、運営中または開業予定の物件がある自治体については、必ず上記および各自治体の公式サイトにて最新情報をご確認ください。



